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Sony α6400 と Tamron F2.8通し ズームレンズで始めるアイスホッケー写真撮影

「自分でもアイスホッケー写真を撮れるようになりたくてカメラを始めようと思うのだけど、どのような機種を買えば良いでしょうかね ? IceHockeyStream さんの写真はとても綺麗に撮れているので同じものはどうかな ?」と、Kさん (本名, 所属は伏します) に相談されました。

 

ちょうど試合前練習中だったので「試しに撮ってみますか !?」と Kさんに機材を預けたらご自身は昔ゴーリーだったとのことで、初めてのアイスホッケー撮影ではゴーリーを狙ってこのショットを決められました。※掲載許諾済み

とは言っても他の写真はフォーカス外しまくりで、そもそもカメラを初めて購入する方に気軽にオススメできる構成ではありません。リーズナブルに始められながらもアイスホッケー撮影の難しさに対応できそうなカメラボディとレンズの組合せをご案内しました。

 

Sony ボディと Tamron レンズは使い込んでいてカタログスペックで評価できるのですが、後日α6400 と所有していないレンズをレンタルして自分でも撮ってみました。その写真を交えながら、選択のポイントと撮影例をご紹介します。


カメラボディ : Sony α6400

🔗 α6400 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

世界最速0.02秒(*)の高速AFを実現し、高速・高精度な「リアルタイム瞳AF」「リアルタイムトラッキング」機能搭載の小型・軽量一眼カメラ

とあるように、高速AFをリーズナブルに使用できるのが選択のポイントです。リンク先製品ページの「特長 - 決定的瞬間を捉えるスピード性能」もご参照ください。

 

2019/2/22 発売でやや古い機種になりつつありますが現行品として販売が続いているロングセラー製品です。

 

センサーサイズは APS-C です。

 

参考 : 🔗 SONY(ソニー) α6400 実写レビュー | フォトヨドバシ

 

本機の進化ポイントを一つに絞って挙げるとすれば、フルサイズ機ハイエンドモデル「α9」と同世代の最新画像処理エンジン「BIONZ X」の搭載です。これによりAF速度は世界最速を謳う0.02秒をマーク。


レンズ : Tamron F2.8通し ズームレンズ

製品名, メーカー製品ページへのリンク 対応センサーサイズ α6400 で使用した場合の
フルサイズ換算焦点距離
(x1.5)
対応マウント 
17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD APS-C  25.5-105mm  SONY E, NIKON Z, FUJIFILM X, CANON RF
35-100mm F/2.8 Di III VXD フルサイズ 52.5-150mm SONY E, NIKON Z
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 フルサイズ 105-270mm SONY E, NIKON Z

アイスホッケーに限らず、屋内競技を撮影するならば F2.8通しの明るいレンズが有利です。

17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD

  • フルサイズ換算画角では、以前に使用したことがある Sigma 28-105mm F2.8 DG DN とほぼ同じです。
  • 広角側が広いので、プレー中だけではなく試合前後の整列しての挨拶やチーム集合写真など横幅が求められるシーンの撮影にも使えます。
  • ズームリングのトルク (回すときの抵抗, 重み) が、特に35mm以上で強く感じました。選手の動きに合わせて急に素早く回すときに注意が必要です。
  • Sony Eマウント用の発売は 2021/1/14 ですが、ニコン Z マウント用, キヤノンRFマウント用が 2026/7/2 に発売されたばかりです。

参考 : 🔗 SONY a6400の神レンズ9選!被写体別のおすすめと失敗しない選び方を解説 -【動体を撮るなら】TAMRON 17-70mm F2.8 Di III-A VC RXD (Model B070) | GooPass.jp

35-100mm F/2.8 Di III VXD

70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2

  • これまで記事を作成して紹介することはありませんでしたが、初代から使用しています。
  • α6400 ではフルサイズ換算で 105-270mm となるため、観客席からの撮影に有利です。
    • リンクサイド(フェンス際)から狙う際、位置取りによってはゴール前が狭くなります。
  • Tamron Lens Utility で Focus Limiter をカスタマイズできます。
    • 観客席から狙う際、ガラスフェンスやネットに Focus が合ってしまうことを防げることがあります。

α6400 の設定

Format JPEG
Shutter Speed 1/1000
絞り F2.8
ISO 感度

2500 (17-70mm, 35-100mm)
2000 (70-180mm)

※1

高感度ノイズ低減 標準
White Balance 4600K, A0.5 M3.5
Creative Style ※2 Standard, コントラスト/彩度/シャープネス : 標準

※1 : 17-70mm, 35-100mm で撮ったものを確認したら「ちょっと明るめでISO感度下げても大丈夫かな」と感じたので 70-180mm で下げてみただけで、レンズによる違いを感じて ISO 感度を変えたのではありません。

 

※2 : α6400 では Creative Look ではなく旧式の Creative Style が装備されています。

 

ローリング歪みへの対応

高速に移動する被写体をミラーレス一眼の電子シャッターで撮ると、センサーの上から順にデータをまだ読み込んでいる内に被写体が動いてしまい、画像の下にいくほどズレが生じて被写体が歪んでしまう現象が起こります。

 

下の写真は、2019年に α6400 を試しに使う機会があって試合前練習中に撮ったものです。 

スティックの「撓り(しなり)」が不自然なことに気づきましたか ?

 

インパクト前にスティックを氷面に擦り付けてスティックをこの写真とは反対方向に撓らせるシーンはよく見られますが、インパクト後のフォロースルーでここまで撓ることはありません。パックの形も円形ではなくなっていて左下に伸びたように写っています。

 

この歪み発生を回避するため、電子シャッターではなくメカシャッターが動作するように設定します。

 

🔗 HelpGuide.Sony.net | サイレント撮影(静止画)

 

「入:シャッター音を消して撮影する。」が電子シャッターなので、「切」に設定します。

 

参考 : 🔗 最新「ミラーレス一眼」は何がすごい? 「超高速イメージセンサー」編 - Fav-Log by ITmedia 

連写 (連続撮影) の設定

「連続撮影速度」スペック上では最高約11コマ/秒の連写に対応しています。

 

🔗 α6400 主な仕様 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

Hi+時:最高約11コマ/秒、Hi時:最高約8コマ/秒、Mid時:最高約6コマ/秒 、Lo時:最高約3コマ/秒

しかしながら「Hi+」で連写すると、モニターやファインダーに映る被写体の動きに遅れが生じます。

 

🔗 HelpGuide.Sony.net | 連続撮影

[連続撮影: Hi+]で連続撮影中はモニター、ファインダーに映る被写体はリアルタイムのものではありません。

この遅れが速いプレースピードを追う際に支障となるようでしたら、最高約11コマ/秒を諦めて約8コマ/秒以下を設定します。今回は「Hi時:最高約8コマ/秒」で撮影しました。


機材選択に関する雑記

Auto Focus

カメラボディ

一眼レフの時代、高性能な AF に必要な測距点の多いセンサーや高度なアルゴリズム、演算能力が高い画像処理エンジンなどを搭載するのは上位機種に限られていました。

 

ミラーレス一眼では「AF性能は上位機と同等」を謳う中位機がラインナップされることがあり、こうした機種に注目すると良いです。

 

Sony の場合、スポーツ撮影において注目すべき上位機種との差はシャッターです。最高連写枚数やローリング歪みへの耐性で違いが出ます。

 

なお、Sony は 3rd Party 製レンズに対して連写性能を最高15枚/秒に制限していると言われており、実機の動作でも確認されています。

レンズ

撮影時にどれだけ速く Focus が合うかはカメラボディだけで決まるのではなくレンズも影響します。AF が動作するとき、ピントを調整するためにレンズ筐体内部で前後に動くレンズ群がありますが、それらを動かすモーターの性能がレンズの AF 性能を決めます。

 

Tamron の場合、VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive) と呼ばれるモーター機構が最新で最高レベルの速度, 精度を実現しています。RXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive) は一世代前の機構です。

 

今回ご紹介した3つのレンズは、F2.8 通しで明るいことに加えて、AF 性能も優れています。

 

参考 : 🔗 タムロンのAF技術 | レンズテクノロジー | タムロン | TAMRON

フルサイズ・センサー vs APS-C センサー

センサーサイズについては「大きければより多くの光を取り込むことができるので画質には有利だが、ボティサイズが大きくなったり価格が高くなったりしがち」というのが一般的な特徴です。

 

アイスホッケーの撮影においては以下が検討ポイントになりましょうか。

  • アリーナ照明
    • 明るい LED 照明下なら APS-C センサーでも許容できる画質で撮れるか ?
    • 照明が暗く高感度ノイズが気になるならば画質を優先してフルサイズ・センサーを選ぶか ?
  • 撮影位置
    • 観客席からだと距離があるので APS-C の望遠効果を活かすことを優先するか ?

価格.com へのリンク


アイスホッケーを撮り始める方へのアドバイス

機材の選択に加えて、Kさんには2つほどアドバイスしておきました。

確実に撮れるアイスホッケーらしいシーンを早く確立する

「1試合ひたすら撮り続けたけど良く撮れた写真がほとんど無かった」ではモチベーションが心配です。プレーが止まっているときでも、アイスホッケーらしい写真は撮れるものです。自分が一番撮りたいシーンをまだ上手く撮れなかったとしても、その撮影機会から残せる写真を増やしていきましょう。

  • Face Off
  • ゴーリーが正対してシュートに備えているシーン

最初は完全に静止している状態でOK。カメラをしっかり構えて自分の身体の不要な動きを抑えて狙い通りの構図に収められるようになる練習としても重要です。

 

慣れてきたら、Face Off のパックドロップに合わせて動き出す瞬間、放たれたシュートに反応してゴーリーが動き出す瞬間に意識を向けます。静止した写真から、動きのある写真を撮れるようになります。

AF-C (Continuous Focus) と 親指 Focus (Backbutton Focus) を早く身体で覚える

速く、激しく動き続ける被写体を撮るときに選択する AF-C (Continuous Focus) では、「シャッターチャンスが来た」と閃いてから Focus を合わせにいくのでは遅いと思います。

 

「この流れで好いシーンが撮れるのではないか」と閃いたり、「この流れから訪れるピーク・シーンを収めよう」と決めたら即 Focus を合わせ始め、Focus が合った状態で被写体を追い続けて、「いよいよシャッターチャンスが来た」と判断した瞬間には既に Focus が合っている状態にしておくことがキモだと自身の経験から考えています。